……眠りから覚めて目を開けると、私は鬱蒼と茂った木々に囲まれておりました。
驚いて身体が硬直。驚きすぎて声も出ません。なぜ、私は芝の上で寝ていたのでしょう。
周りを見れば鬱蒼と茂った木々。寝ていた場所はたくさんの木々に囲まれていたようなのです。
どこで眠りについたのかも覚えていないのですが、こんなところで寝た記憶は当然ありません。
睡眠をとる場所として、ここを好んで選ぶはずもないのです。
……ここは、ジャングル。
ジャングルなんて人生で一度も訪れたことがありません。いや、ここがジャングルと呼ばれる類の場所であることはわかるのですが、実はこれまでの記憶は無くなっているのでした。
名前も忘れてしまいました。なぜかわかるのは己の年齢くらい。おじさんである、という認識だけがありました。
マインクラフトPEの世界へ
自分の置かれている状況を把握しようと、必死に頭を働かせます。
どうやってここまで来たのか。わからない。
ここはどこの国なのか。わからない。
置かれた環境から情報を得ようとしたのですが、わからないことだらけで何も得られそうにありません。
ここにどうやって来たのかわからない……その時にハッとしました。
拉致されて運ばれて来たりしたのであれば、怪我をしているかもしれない。そう思って手足を動かしてみると……。
違和感がすごいのです。
なぜだかスムーズに手足が動か背ません。関節の数が減ってしまったような、自分がロボットにでもなったような感覚です。
自分の腕を見てこれまた驚きました。なんでしょう、この腕は。手指が無く、まるで角材のようじゃないですか。
身体の形状がおかしくなってしまった上に、自分とはまるで違う、何かのキャラクターのようになってしまったようなのでした。
ジャングルの横に砂漠?
周りの状況を確認してみようと少し歩いてみると、目の前の川を渡った先は砂漠になっておりました。
もうわけがわかりません。起きたらジャングルの中にいて、川を渡れば砂漠になっているのです。この世のものとは思えない景色が広がっていて、私の頭は大混乱状態でした。
ここでさらに気づいたのです。私はどうやら温度を感じていないようでした。
ジャングルや砂漠にいるにも関わらず、暑さを全く感じていない自分。全くもって、わけがわかりません。
人間、訳のわからない状況に置かれたとしても、不思議と元いた場所に戻るようです。安心感を求めているのでしょうか。
目を覚ましたジャングルの一角に戻ると、考えを整理し直そうと私は一息つくことにしました。
……その瞬間でした。
背後から導火線に火がつくような独特な音がしたので振り向くと、目の前で何かが爆発したのです。
すごい爆発でした。私の身体は砕け散ったのでしょう。死を思いました。
しかし、気付けばまた、例のジャングルの一角に私は存在したのです。
神からのお告げ
その瞬間、声が聞こえたわけではないのですが、頭に自分のものではない情報が入り込んできました。
どうやら、この世界は現世とは全く別の世界、マインクラフトの世界だそうなのです。また、先ほど私の目の前で爆発したのはクリーパーと呼ばれている、ということもわかりました。
自分のものではない情報が頭に入ってきた瞬間、これは神の仕業だと認識しました。神が教えてくれたのです。
設定→ビデオから視点も変えることができました。神からの情報で、マイクラについての知識が一気に私に流れこんできたのでした。
それにしても、やはり私は身体の構造もそうですが、見た目も全く違う人間になってしまったようです。
どちらにせよ、私はこの世界で生きるしかないのでしょう。おじさんのマイクラ生活の始まりです。
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